大坂屋菓子店の「のぼり」

岩手県大槌町の仮設商店街で、
大槌銘菓「さけ最中」を作っている
大坂屋菓子店さん。

その三代目、尚くんからメールが届きました。

「のぼり届きました!最高にいい。ありがとう!」

三代目、尚くんこと、ひっこは、
大坂屋の味を落とさないために
日々精一杯です。

風が強い大槌町では、
のぼりを作ってもすぐに破けてしまうので、
新しいものを作りたい、と相談され、
色や文字などたくさん打ち合わせをして、厚手のものを選び、
出来た仮のデザインを郵送して、
みんなに見てもらい、
OKをもらい、ネットで注文し、
今日届きました。

そして、彼の感想。

とても嬉しかったんです。

先日、デザイン画像を
ネットにアップしたら、

「自分ならもっといいものをつくれる」

匿名でデザインのことを色々言われ、
少々落ち込んでいました。

僕がネットにアップするのは、
自分の実績を自慢したいのではなく、
こうして、一度見ておくと、
お店に行った時に

「あっ、見たことある」

と思ってもらえたりすると思っているからです。

しかし、もっと出来る、
と思われる人が、
何かを伝えてくるのでしょう。

でも、
彼からのメールが全てでした。

彼が、大坂屋さんが喜んでくれること、が全てでした。

僕のデザインは野暮ったい所があり、
もっと洗練したものを作れる人はたくさんいると思います。

でも、
大事なことは、そういったことではないのだと、
改めて実感しました。

今年も開催される
「おおつちありがとうロックフェスティバル」

その、ホームページを、
今年も担当させて貰えることになりました。

今、ホームページは、
どんどん新しい技術が入ってきて、
まだまだ僕も追いついていません。

なので、
最先端の人から見ると、
技術的に遅れているホームページが
出来ると思います。

でも、
大槌STANDING STANDINGの代表
岡野シゲオさんに言われたんです。

僕は今回のホームページなどについて
色々と提案をしたのですが、

「きみのようになれないんだよ。
みんな。まったくなかったデジタルが。
ここには。w」

と言われ、はっとしました。

僕は、震災前の大槌の
歴史、文化、風土などを
色々調べ、勉強してきたつもりでした。

でも、どこかに
自分の物差しが強過ぎる部分があって、
早過ぎたり、望まれてないことを
提案したりしてました。

「共に歩んでいく」

ということは、
大槌の今を、
ちゃんと理解した上で、
近い目線で同じ未来を見るのだと。

自分の作りたいものではなく、
彼らと共に作り上げていきたい、
と強く想いました。

日付けが変わり、
今日は、11日。

東日本大震災から、
2年1ヶ月の
月命日です。

三陸に想いをはせ、
自分に出来ることを精一杯。
これは、ずっと変わりません。

共に歩んでいく

ということを再確認した夜。

まだまだこれからです!

可児波起@STAND WAVE

ネイチャーヒップホップグループ「STAND WAVE」のリーダー。メジャーアーティスト。ラップ、歌い手、作詞家、作曲家、編曲家。「JASRAC」に登録。25年のキャリアを持ち「ネイチャーヒップホップ」のジャンルを確立。『生きる』や『大自然』をテーマに曲を作り上げてる。ラップや歌のほか、作詞・作曲家として多くのアーティストに楽曲提供。心に響くメッセージを歌詞に込めている

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可児波起@STAND WAVE
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