大槌の奇跡

岩手県大槌町「おらが大槌復興食堂」
今だに、復旧すら始まっていない大槌町で、
みんなが、全て手作りで作ったテントの食堂。

2012年3月19日は、ここで音楽鳴り響く「UTAGE LIVE」が開催。
「太陽族」と大槌のロックンロールバンド「プリズナー11」の共演。
その会場作りをするキミオさん。
元大工さんで、今は仮設住宅に住んで、
この復興食堂で働いています。

僕は、音楽の機材を横須賀から持ってきて、
出来る限りのサポート。
素敵なステージが出来ました。

太陽族さんのリハーサル。
最高のライブをするために、
念入りに音をチェック。

大槌代表「プリズナー11」のライブがスタート。
僕はPAで奥に座っていたのですが、
楽しすぎて、一番はしゃいじゃいました。

太陽族さんのライブ。
この日は、盛岡などからも大槌に来てくれて、
大槌の若者たちと一緒に手をつないで飛び跳ねる。

ライブの途中、ふと外に出ると、
明かりがほとんどない、漆黒の闇。
大槌に、大音量の音楽が響く。

ライブ終了後に、プリズナー11と太陽族の花男さんとパシャリ。
音楽の縁が確かに繋がった。

「地元大槌でライブがしたい」
プリズナー11のボーカル、阿部幸太さんが想い続けていた。

それを、沢山聞き感じていた。

大槌の仲間が、それをサポートする熱いみんなが、
大槌に音楽が鳴り響くために、
みんなで作りあげたライブイベント
「UTAGE LIVE」in おらが大槌復興食堂

その想いに共鳴してくれた太陽族さん。

ここはライブハウスではない。
手作りのテント。
復興食堂から一歩外に出れば、
初めて見た女性が、
膝を崩し泣き崩れるほどの、
壮絶な、絶望的な風景が拡がる。

そこで、大笑いをしている人たちがいる。
生活が苦しくなることを覚悟で、
全部津波で流されたから、
最高の革ジャンを買い
最高の楽器を揃えた。

一人一人の話を聞けば、
ドラマのような壮絶な真実のストーリーがある。

その中で、
「楽しさ」
で、町を動かし、どんな絶望的な場面でも、
仲間同士肩を組んで進んでいく。
そんな素晴らしい人たちがいる。

僕も、
いつしか彼らと肩を組んでいた。

男性でも、女性でも、年齢も関係なく、
躊躇せずに握手をし、強く抱き合う。

これこそが、本当の

「絆」

被災地支援

そんな言葉じゃない。

大切な大切な仲間に会いに行く。

この事になんの迷いも躊躇もない。

あれこれ沢山考える。
でも、やっぱり会いたい。

だから、会いに行く。
理由は、人間同士において、一番シンプルな理由。

「愛」

何回でも行く。
ずっとずっと行く。

復興したら、とかそんな区切りもない。

35年間、探し続けていたのかもしれない。

「生きてる心地」

一生の仲間と共に、肩を組んで歩いて行く。

何度も何度も言う。

その事に、
何の躊躇も迷いもない。

何度も言う。

僕らの中には
「風化」
などない。

「ありがとう大槌」

ただそれだけである。