この記事の要約です♫
この記事では、音楽業界における重要な権利である「原盤権」と「著作権」の違いを初心者向けにわかりやすく解説します。
音楽には多くの権利が関わっており、アーティストやクリエイターの利益を守るために非常に重要です。しかし、「原盤権」と「著作権」の違いは混同されがちです。著作権は、楽曲や歌詞などの創作物そのものに対して与えられる権利で、作詞家や作曲家に帰属します。一方、原盤権は、実際に録音された音源やアルバムの制作に関わる権利で、レコード会社や制作会社に帰属することが一般的です。
例えば、アーティストが作詞・作曲を行い、別のレコード会社がその音源を制作した場合、アーティストは著作権を持ち、レコード会社は原盤権を持つという形になります。これらの権利は音楽の配信や販売、使用時に重要な役割を果たし、収益にも大きく影響を与えるため、しっかり理解しておくことが大切です。
音楽業界で活動する人々にとって、これらの権利の違いを知ることで、自分の権利を守るための一歩を踏み出すことができます。この記事を通じて、原盤権と著作権の基本的な違いを理解し、音楽業界での適切な権利管理に役立ててください。
こんにちは、STAND WAVEのボーカル・ラッパーの可児波起です。音楽を作り、歌い、そして多くのアーティストに楽曲を提供してきた僕ですが、音楽業界に関わる中で「原盤権」と「著作権」という言葉をよく耳にします。
初めて音楽業界に足を踏み入れた頃は、この2つの権利の違いがよくわかりませんでした。しかし、プロの音楽家として活動していく上で、原盤権と著作権の違いを理解することは非常に重要です。
そこで今回は、僕自身の経験を交えながら、初心者の方でもわかりやすいように、原盤権と著作権の違いについて解説していきたいと思います。音楽を愛する全ての人に、この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
第一部:原盤権とは何か
まずは、原盤権について詳しく見ていきましょう。原盤権とは、音源を制作したレコード会社や製作者に与えられる権利のことを指します。つまり、音楽を録音した「マスター音源」を管理・販売する権利が原盤権なのです。
僕がSTAND WAVEとしてCDをリリースする際も、レコード会社が原盤権を持っています。レコード会社は、この原盤権に基づいて、CDの製造・販売、配信といった商業活動を行うことができるのです。
原盤権は、音源が制作されたと同時に発生し、基本的には制作者であるレコード会社に帰属します。ただし、アーティストとレコード会社との契約内容によっては、一定期間後に原盤権がアーティスト側に移譲されるケースもあります。
僕は、メジャーデビューを果たした後、レコード会社と原盤権に関する交渉を行いました。当時の経験から言えば、原盤権の所在については、契約書をしっかりと確認することが大切です。
原盤権を持つことで、音源の二次利用や販売による収益を得ることができるため、音楽家にとっても重要な権利といえるでしょう。
【STAND WAVEのオススメ↓↓↓】
・高音質No.1 DAW「Studio One」
・ラップに最適な世界標準マイク「SHURE SM58」
・プロ業界の定番ヘッドフォン「SONY MDR-CD900ST」
第二部:著作権とは何か
著作権は、音楽を作った人に与えられる権利です。つまり、作詞家や作曲家、編曲者などが持つ権利のことを指します。著作権は、音楽を作った時点で自動的に発生し、作者に帰属します。
僕自身、作詞家・作曲家として数多くの楽曲を手がけてきました。その経験から、著作権は音楽家にとって非常に大切な権利だと実感しています。なぜなら、著作権があるからこそ、自分が作った音楽で収入を得ることができるからです。
著作権には、「複製権」「公衆送信権」「演奏権」「上映権」など、様々な権利が含まれています。例えば、自分が作った曲をCDに複製したり、ライブで演奏したり、YouTubeなどで公開したりする際には、著作権者の許諾が必要となります。
また、著作権は一定期間保護されます。日本の場合、作者の死後70年まで著作権が保護されることになっています。つまり、作者が亡くなった後も、その遺族が一定期間、著作権による収入を得ることができるのです。
僕は、JASRAC(日本音楽著作権協会)に作詞家・作曲家として登録しています。JASRACは、音楽の著作権を管理する団体で、音楽の利用料を徴収し、著作権者に分配する役割を担っています。プロの音楽家にとって、JASRACは重要な存在だと言えるでしょう。
次の「第三部」では、原盤権と著作権の違いについて、具体的な事例を交えて解説していきます。
第三部:原盤権と著作権の違いを事例で理解する
ここまで、原盤権と著作権について個別に解説してきましたが、実際の音楽業界では、この2つの権利が複雑に絡み合っています。そこで、具体的な事例を通して、原盤権と著作権の違いを見ていきましょう。
事例1:あるアーティストがレコード会社と契約し、CDをリリースした場合 この場合、レコード会社が原盤権を持ち、アーティストは著作権を持つことになります。レコード会社は原盤権に基づいてCDを製造・販売し、アーティストは著作権に基づいて、CDの売上に応じた印税を受け取ります。
事例2:あるアーティストが自主制作でCDをリリースした場合 この場合、アーティスト自身が原盤権と著作権の両方を持つことになります。制作費用はアーティスト持ちになりますが、その分、CD販売による収益は全てアーティストのものになります。
事例3:音楽配信サービスで楽曲が利用された場合 音楽配信においては、原盤権と著作権への対価が別々に支払われます。原盤権に対しては「レコード製作者使用料」が、著作権に対しては「著作権使用料」が支払われるのです。
僕自身、STAND WAVEの楽曲が多くの音楽配信サービスで利用されていますが、そのたびに原盤権と著作権の両方への対価が発生しています。音楽家にとって、この2つの権利への理解は、自分の収入を正確に把握する上でも欠かせません。
以上の事例からわかる通り、原盤権と著作権は、音楽ビジネスにおいて密接に関係しています。音楽家は、この2つの権利について正しく理解し、自分の権利を守っていくことが大切だと言えるでしょう。
次の「第四部」では、原盤権と著作権をめぐる最近のトピックについて取り上げていきます。
第四部:原盤権と著作権をめぐる最近の話題
近年、音楽業界では原盤権と著作権をめぐる様々な動きが見られます。ここでは、最近の話題を2つ取り上げたいと思います。
1. 音楽ストリーミングサービスの台頭と著作権料の配分問題
近年、SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスが急速に普及しています。これに伴い、著作権料の配分方法が大きな問題になっています。
ストリーミングサービスでは、再生回数に応じて著作権料が支払われますが、その配分方法には不透明な部分が多いのです。アーティストによっては、自分の楽曲が多数再生されているにも関わらず、十分な収入を得られないケースもあります。
僕自身、STAND WAVEの楽曲がストリーミングサービスで多数再生されていますが、正直なところ、印税収入には不安を感じています。今後、著作権料の配分方法の透明化が進み、アーティストが適切な対価を得られる仕組みが整備されることを期待しています。
2. NFTの登場と音楽業界への影響
もう1つの話題は、NFT(非代替性トークン)の登場です。NFTとは、デジタルデータに唯一無二の価値を付与する技術のことで、近年、音楽業界でも注目を集めています。
NFTを活用することで、音楽の所有権や利用権を細分化し、より柔軟に取引することができます。例えば、ファンが自分の好きなアーティストの楽曲のNFTを購入し、その一部を所有するようなことも可能になります。
また、NFTを活用することで、アーティストが自分の音楽を直接ファンに届けることができるようになります。これにより、レコード会社などの仲介者を介さずに、アーティストとファンが直接つながることができるのです。
僕自身、NFTの可能性には大いに興味を持っています。今後、NFTを活用した新しい音楽ビジネスのモデルが登場してくるかもしれません。音楽家にとって、NFTは新たな収入源となる可能性を秘めていると言えるでしょう。
原盤権と著作権をめぐる話題は、日々刻々と変化しています。音楽家にとって、これらの動向を注視し、自分の権利を守っていくことが重要だと考えています。
よくある質問
Q1. 原盤権と著作権は譲渡できるの?
A1. はい、原盤権と著作権は譲渡することができます。ただし、譲渡の手続きは権利ごとに異なります。
原盤権は、レコード会社とアーティストの間で交わされる契約書に基づいて譲渡されます。一方、著作権は、「著作権譲渡契約書」を交わすことで譲渡できます。ただし、著作権の譲渡は慎重に検討する必要があります。一度譲渡してしまうと、作者である自分が自由に作品を利用できなくなってしまうからです。
Q2. 原盤権と著作権の保護期間は?
A2. 原盤権と著作権の保護期間は異なります。
原盤権の保護期間は、レコードの発売日から70年間です。一方、著作権の保護期間は、作者の死後70年間です。ただし、映画の著作権については公表後70年間となっています。
音楽家にとって、この保護期間は非常に重要です。保護期間内は、自分の権利を守ることができるからです。
Q3. カバー曲を歌う際の著作権処理は?
A3. カバー曲を歌う際は、原曲の著作権者に許諾を得る必要があります。
具体的には、JASRACなどの著作権管理団体に申請し、許諾を得ます。その際、著作権使用料を支払う必要があります。使用料の金額は、利用形態や利用期間などによって異なります。
僕自身、他のアーティストの曲をカバーすることがありますが、その際は必ず著作権処理を行っています。著作権を守ることは、音楽家としての義務だと考えているからです。
Q4. 音楽教室での楽曲利用は著作権侵害になる?
A4. 営利目的の音楽教室で、許諾なく楽曲を利用することは著作権侵害になります。
ただし、非営利の音楽教室であれば、一定の条件の下で楽曲を利用することができます。具体的には、授業目的で必要な範囲内で、生徒や教員が複製したり演奏したりすることが認められています。
音楽教室を運営する際は、著作権法について正しく理解しておく必要がありますね。
Q5. 著作権侵害をしてしまったらどうなる?
A5. 著作権侵害をすると、権利者から損害賠償請求を受けたり、刑事罰に処せられたりする可能性があります。
著作権法には、侵害者に対する罰則規定があります。例えば、著作権を侵害した者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられます。また、権利者から損害賠償請求を受ける可能性もあります。
音楽家にとって、著作権侵害は大きなリスクを伴います。音楽制作においては、著作権について十分に理解し、侵害を避けることが大切です。
以上、原盤権と著作権に関する5つの質問に答えてみました。音楽家にとって、これらの権利について正しく理解することは非常に重要だと考えています。
最後に「まとめと感想」を書いて、この記事を締めくくりたいと思います。
【STAND WAVEのオススメ↓↓↓】
・高音質No.1 DAW「Studio One」
・ラップに最適な世界標準マイク「SHURE SM58」
・プロ業界の定番ヘッドフォン「SONY MDR-CD900ST」
まとめと感想
この記事では、原盤権と著作権の違いについて、初心者向けにわかりやすく解説してきました。原盤権は音源を制作した者に与えられる権利で、著作権は音楽を作った者に与えられる権利だということがおわかりいただけたかと思います。
また、原盤権と著作権が音楽ビジネスにおいて密接に関わっていること、近年の音楽ストリーミングサービスやNFTの登場によって、これらの権利をめぐる新たな動きが出てきていることについても触れました。
音楽家である僕にとって、原盤権と著作権は自分の音楽活動を支える重要な権利です。これらの権利があるからこそ、音楽で生計を立てることができるのだと実感しています。
同時に、原盤権と著作権については、常に勉強し続ける必要があるとも感じています。音楽ビジネスは日々変化しており、それに伴って権利のあり方も変わっていくからです。
特に、音楽ストリーミングサービスの台頭やNFTの登場など、近年の動きは目まぐるしいものがあります。これらの変化に適切に対応していくためには、原盤権と著作権について正しく理解しておく必要があるでしょう。
また、著作権侵害のリスクについても十分に認識しておく必要があります。音楽制作においては、他者の権利を侵害することのないよう、細心の注意を払わなければなりません。
原盤権と著作権は、音楽家にとって非常に重要な権利であり、音楽ビジネスの根幹を支えるものだと言えます。音楽を愛する全ての人が、これらの権利について正しく理解し、尊重し合えるような世の中になることを願ってやみません。
STAND WAVEのボーカル・ラッパーとして、そして一音楽家として、これからも原盤権と著作権について学び続け、音楽活動を通じてその大切さを伝えていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。