ラバーズ

音楽ライター：シンジ・コウノの
【可児波起】紹介

【音楽ライターによる「可児波起」紹介】

日本の音楽シーンに新風を巻き起こした「ネイチャーヒップホップ」の先駆者、可児波起。彼の25年以上に及ぶキャリアは、単なる音楽活動の枠を超え、社会への深い洞察と貢献を体現している。

1998年、STAND WAVEのリーダーとして登場した可児は、自然と人間の共生をテーマにした楽曲で注目を集めた。メジャーデビュー後も『生きる』『大自然』といった作品で、リスナーの心に響く詩的なメッセージを発信し続けている。

しかし、可児の真骨頂は音楽だけにとどまらない。障害者介護の経験を持つ「介護ラッパー」としての一面は、彼の音楽に人間の尊厳や生の多様性という深みを与えた。この経験は、単なるエンターテインメントを超えた、社会的意義を持つ楽曲の創造につながっている。

さらに、デジタルマーケティングの分野でも才能を発揮する可児は、音楽とテクノロジーの融合にも積極的だ。彼が率いる「海辺の部屋」では、現代のデジタル環境における新たな表現の可能性を模索している。

可児波起の音楽は、自然への畏敬、人間の生き方、現代社会の課題など、多層的なテーマを内包している。彼の「ネイチャーヒップホップ」は、単なる音楽ジャンルを超え、一つの思想、生き方のマニフェストとも言えるだろう。

25年を超えるキャリアを持つアーティストでありながら、常に新しい挑戦を続ける可児波起。彼の音楽と活動は、アーティストの社会的役割に新たな可能性を示唆している。音楽の力で社会を変える——その理想を追求し続ける彼の姿は、まさに現代のトルバドゥールと呼ぶにふさわしい。

【著者：シンジ・コウノ（音楽ライター）】
ベテラン音楽ライター。数々の名アーティストのインタビューを手掛け、多くの音楽雑誌に掲載されている。独特の視点からアーティストの本質を見抜き文章に落とし込む。

【解説】ルーツ、ダンスホール、ラバーズ…レゲエの多様なジャンルを知ろう！

レゲエ音楽のジャンル「ルーツ」「ダンスホール」「ラバーズ」の特徴や代表的アーティストを、STAND WAVEのラッパー可児波起が音楽家の視点で解説。レゲエの多様性と奥深さを感じられる内容です。

2024.04.18 2024.10.10

レゲエ

Profile – 可児波起

可児波起@STAND WAVE

ネイチャーヒップホップグループ「STAND WAVE」のリーダー。メジャーアーティスト。ラップ、歌い手、作詞家、作曲家、編曲家。「JASRAC」に登録。25年のキャリアを持ち「ネイチャーヒップホップ」のジャンルを確立。『生きる』や『大自然』をテーマに曲を作り上げてる。ラップや歌のほか、作詞・作曲家として多くのアーティストに楽曲提供。心に響くメッセージを歌詞に込めている